
中歩行用で土足に対応、床暖房も可能なフローリングの商品開発をしています。2006年春頃から合板が急騰しているので、MDFの基材も考慮に入れて様々な実験を繰り返しています。しかしMDFの床材は湿気の多い日本の気候には適してないようです。基材の開発(HDF、MDF)も別途掲載しておきましたので是非ともご一読下さい。国産のフローリングは表面にローリング単板(丸太を回転させて大きなカンナのような刃を当て木を薄く削ぐ方法)を張り付けます。単板の厚さは0.3mmで、皆さんが会社で使っているコピー用紙の厚さと同じです。

この単板を厚さ9mmや12mmのベニヤに接着し、ホットプレスして表面を塗装したらフローリングの完成です。塗装には耐摩耗性を上げるためにセラミック塗料が使用されます。セラミック塗料には陶磁器の微粉末が混入されています。原理は簡単で0.3mmのサンド・ペーパーがベニアに張り付けてあると考えて下さい。もちろん実際のセラミック・パウダーは女性のお化粧で使うファンデーション位の滑らかさですから、サンドペーパーのようにザラザラはしていません。

つまり国産のフローリングは、ほとんど塗装で表面が守られているのです。フローリング単板の木目も絶対に自然界に存在しません。マンションの販売パンフレットには『リビングは全面フローリング張りで...』なんて書かれていますが、正確には『全面ベニア張り』が正しいと思うんですが...。一言多いですか?工場のラインはサネ加工、塗装から梱包まで一貫体制ですが、単板の工程だけが人手に頼らなければなりません。国内のどんな家具工場でもこの単板の張り付けと補修作業には手間取っています。

左の写真はヨーロッパのフローリング工場ですが、おばさんが一人で単板の縫い合わせ(ラバーステッチ)をしています。ヨーロッパのプランク材は表面が厚さ0.6mmでスライス単板が標準です。土足で重歩行用なので耐摩耗性は日本のフローリングの8倍もあります。ところで、商品開発をしながら思うのですが、均一な木目、遮音、床暖などなど、本来『木』には求めるべきでない機能を追求していることに矛盾を感じます。日本の建築って、どうも違う方向を走っているなと思いつつ伴走してますが、ちょっとでも本物が作れたらと思って試行錯誤を繰り返しています。